読書

夏から秋に読んだ本3

カズオ・イシグロ作の「日の名残り」。 以前に一度読んだのですが、最近NHKで放映中の「刑事フォイル」で、1930年代、40年代頃、イギリス国内でもナチス・ドイツに賛同する人達がいて、集会を開いたりしていたという事を知り、意外に思って娘に話し…

宇月原晴明「かがやく月の宮」

この作者の「安徳天皇漂海記」「廃帝奇譚」を以前に読みました。 「安徳天皇漂海記」 「廃帝奇譚」 私にとっては、この「かがやく月の宮」が三作目です。 物語は、彼女(紫式部でしょう)が物語を書きたくて、でも思いあぐねて、父から貰った家宝の秘巻「か…

杉本秀太郎・安野光雅「みちの辺の花」

フランス文学者で随筆家としても知られている杉本秀太郎氏が亡くなられました。 京都の文化財として有名な町家「杉本住宅」の御当主としても、よくテレビや新聞、雑誌などで拝見していました。 我が家には、この「みちの辺の花」という本があります。 もう、…

ジェフリー・ディーヴァーに戻って(2)

リンカーン・ライム・シリーズの第三作、「エンプティー・チェア」。 ライムとサックスが、珍しくニューヨークを離れ、ノース・カロライナの田舎町を訪れていた時に、地元の警察から協力を頼まれた事件の捜査をする事に。 殺人事件の犯人と目される少年の無…

ジェフリー・ディーヴァーに戻って (1)

この春は、お天気の悪い日が多かったので、少し落ち着いて本を読む事が出来たと思います。 相変わらずコージー・ミステリーも読んでいましたが、その後に読んだジェフリー・ディーヴァーの方を、忘れないうちに題名だけでも記録して置こうと思います。 ジェ…

読んだ本の記録

ゆっくりパソコンに向かう時間が無く、と言うより、気持ちが落ち着かなくて、このダイアリーもまたまた随分ご無沙汰になってしまいました。 読んだ本や、咲いて散って行ったバラ達の写真も沢山撮ったままになっていました。 8月、9月は仏事や、草が伸び放題…

アリアナ・フランクリン「アーサー王の墓所の夢」

アリアナ・フランクリンの「女医アデリア・シリーズ」の第三作です。 イギリスの作家の歴史ミステリーで、12世紀、ヘンリー2世の時代です。 第一作「エルサレムから来た悪魔」で、イタリアからイングランドに派遣され、ヘンリー2世の命令でイングランド…

ローラ・チャイルズ「オーガニック・ティーと黒ひげの杯」

ローラ・チャイルズの(お茶と探偵シリーズ)の第12弾「オーガニック・ティーと黒ひげの杯」です。 日本での出版社が変わって心配しましたが、無事続けて刊行されるようになり、本当に嬉しいことです。 このシリーズの舞台となるチャールストンは、昔から…

ジェフリー・ディーヴァー「ポーカー・レッスン」

ジェフリー・ディーヴァーの第2短編集「ポーカー・レッスン」、先日届いたばかりのを早速読みました。 16篇のどれもが、長編に負けない位とても充実した、面白い作品ばかりでした。 リンカーン・ライム物も一篇含まれ、巻末には作者の創作作業の内幕をち…

ジェフリー・ディーヴァー「静寂の叫び」

ジェフリー・ディーヴァーの1995年作のサスペンスで、人質解放交渉がテーマの「静寂の叫び」を読みました。 日本で翻訳出版されたのが1997年6月、奇しくも1996年12月にペルーの日本大使公邸が武装ゲリラによって占拠される事件が起き、多くの…

タナ・フレンチ「道化の館」

「悪意の森」の作者タナ・フレンチの第2作「道化の館」を読みました。 やはり、アイルランドが舞台で、「悪意の森」にも登場していた(私はすっかり忘れていたのですが)キャシー・マドックス刑事が主役になっています。 あれから後、キャシーはDV対策課…

ケン・フォレット「ホーネット、飛翔せよ」

「針の眼」以来ケン・フォレットのスパイ・冒険小説が面白いのを知って、目についたのを次々読むようになりました。 この作品は、「レベッカへの鍵」「鴉よ闇へ翔べ」等と同じく、第二次世界大戦中のヨーロッパが舞台。 1941年6月、デンマークはドイツ…

ケン・フォレット「コード・トゥ・ゼロ」

大分前に出た本(作2000年、日本では2001年、文庫本は2003年)ですが、ケン・フォレットのスパイ小説「コード・トゥ・ゼロ」を読みました。 アメリカとソヴィエトが冷戦中の1958年、宇宙開発はソヴィエトが一歩先んじていて、それにアメリカ…

S.J.ボルトン「毒の目覚め」

S.J.ボルトンのデビュー作「三つの秘文字」に次ぐ第二作「毒の目覚め」を読みました。 この作品は、色々な毒蛇が出て来る怖いお話です。 先日、回覧版で「町内にマムシが出たので注意して下さい」というお知らせがあったばかりです。 蛇は嫌ですが、毒蛇でな…

バルドゥイン・グロラー「探偵ダゴベルトの功績と冒険」

この本のおすすめが、本屋さんからのメルマガに出ていた事がありましたが、気になる事もなかったのです。 ある日、テーブルの上に、娘が買って置いているのを見つけたので、お先に失敬して読んでみましたら、面白かったのです。 私には、初めて聞く作者でし…

アランナ・ナイト「蒸気機関車と血染めの外套」

「エジンバラの古い柩」「修道院の第二の殺人」に次ぐアランナ・ナイトのファロ警部補シリーズの第3弾「蒸気機関車と血染めの外套」を読みました。 ファロ警部補には亡くなった奥さんの連れ子であった若い医者のヴィンスと暮らしています。 ファロはかなり…

アン・クリーブス「青雷の光る秋」

アン・クリーブスの「シェットランド四重奏」シリーズの最終章です。 「大鴉の啼く冬」「白夜に惑う夏」「野兎を悼む春」とこの「青雷の光る秋」と一応四部作が完結です。 作品の内容は勿論ですが、どれも素敵な題名で、次はどんなのだろうかと待ち遠しく思…

ヨハン・テオリン「赤く微笑む春」

スエーデンの作家ヨハン・テオリンのエーランド島シリーズの第三弾が出ました。 「黄昏に眠る秋」、「冬の灯台が語るとき」、に続く春、「赤く微笑む春」です。 今回も、元船長のイェルロフが登場しますが、入居していた老人ホームでの生活に満足出来ず自宅…

ケン・フォレット「トリプル」

ケンフォレットの第一作「針の目」に続く第二作「トリプル」は、第一作と同様史実を元にしたスパイ・スリラーです。 「針の目」と第三作の「レベッカへの鍵」を読んで面白かったので、この「トリプル」も読みたいと思っていました。 スパイ物と言うと、あま…

ジル・チャーチル「枯れ騒ぎ」

ジル・チャーチルのコージー・ミステリー、ジェーン・シリーズ第12弾、「枯れ騒ぎ」です。 主人公の主婦ジェーン・ジェフリーが、ガーデニングの講習会に参加して事件に巻き込まれるというので、日本でもよくある寄せ植え鉢だとか、庭のデザインだとか、花…

ピーター・トレメイン「修道女フィデルマの探求」

修道女フィデルマ・シリーズ中の短編集、第3集です。 これは、原作では一冊のものを、日本では3冊に分け出版されたそうです。 それぞれ5編の短編作品が収録されています。 第1集は「修道女フィデルマの叡智」、第2集は「修道女フィデルマの洞察」でした…

ジェフリー・ディーヴァー「ウオッチメイカー」

ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズ第7作「ウォッチメイカー」を読みました。 長い作品になればなるほど、途中でうっかり読み飛ばしたりしている事があったりして、2回読まないといけないので、時間がかかります。 このシリーズは…

北杜夫「マンボウ最後の家族旅行」

2011年の秋、急逝された北杜夫さんの絶筆となった文章が入ったエッセイ集です。 我が家では、家族皆北杜夫さんが好きでした。 先日主人が図書館で借りてきたこの本を読み終えた後、私にも勧めてくれました。北杜夫さんが、亡くなられる少し前まで雑誌に…

カルロス・ルイス・サフォン「天使のゲーム」

「風の影」の作者カルロス・ルイス・サフォンの新作「天使のゲーム」を読みました。 「風の影」から7年目の作品だそうです。 やはり、本を巡る不思議なお話です。 主人公のダビッド・マルティンは、小さな新聞社の使い走りとして働いていましたが、書く事が…

ジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」

昨年末に、読み終えました。 ジェフリー・ディーヴァーの「ソウル・コレクター」です。いま、日本でも、ITを悪用した犯罪、なりすまし犯等のニュースが毎日のように報じられていますが、この作品は、まさに現代、今そのものといった感じです。 犯人は、これ…

お茶と探偵シリーズ、10,11

ローラ・チャイルズの「お茶と探偵シリーズ」を前回に続いて読みました。 前回7,8,9巻と続けて読んで、もっと読みたくなってしまったから。すっかり、はまってしまいました。 今回は、第10巻「ウーロンと仮面舞踏会の夜」、第11巻「ミントの香りは…

この夏は・・・

雑草に埋もれて、シュウメイギクがちらほら咲いています。 この夏は、ぼんやりしている間に秋になってしまいました。 春からなんとなく元気が出ずに、毎年恒例の梅干しやラッキョウ漬けも今年は出来ませんでした。 毎日テレビや新聞のニュースで報じられる「…

ローラ・チャイルズ「カモミール・ティーは雨の日に」

ローラ・チャイルズさんの「お茶と探偵シリーズ」の第六弾です。 美しい歴史の街チャールストンのお洒落な喫茶店「インディゴ・ティーショップ」。 経営者セオドシア、ティー・ブレンダーのドレイトン、パティシエのヘイリーの三人組はいつも仲良く知恵を出…

アランナ・ナイト「エジンバラの古い柩」

先日読んだ「修道院の第二の殺人」に続いてファロ警部補が取り組む事件です。1870年、岩山の上にあるエジンバラ城の崖下で、男の死体が発見され、城に侵入しようとした泥棒が転落死したものと思われましたが、納得できないファロが現場を調べるうち、男…

ヨハン・テオリン「冬の灯台が語るとき」

先日読んだスエーデンの作家ヨハン・テオリンの「黄昏に眠る秋」に続く第二作「冬の灯台が語るとき」を読みました。 前作と同じ、スエーデン本島の南東に位置する細長い島エーランド島が舞台。 今回は、その東海岸にある「うなぎ岬」の双子の灯台のあたり。 …