カルロス・ルイス・サフォン「天使のゲーム」


「風の影」の作者カルロス・ルイス・サフォンの新作「天使のゲーム」を読みました。
「風の影」から7年目の作品だそうです。
やはり、本を巡る不思議なお話です。
主人公のダビッド・マルティンは、小さな新聞社の使い走りとして働いていましたが、書く事が好きでした。
ある時、穴埋め記事として書かせて貰った小説が認められて連載になり、だんだん小説家として人気が出て独立します。
新聞社に勤めていた頃、通勤の電車の窓から毎日眺めていた憧れの家「塔の館」を借りて、そこで執筆しますが、この館の元の持ち主のやはり作家だった人物の不可解な人生と、ダビットの人生が重なって行く様なのです。
契約した出版社の意向で、自分のでない名前で作品を書き続け疲れて体を壊したダビットは、謎の編集人から、一年間、多額の報酬で奇妙な本を書くオファーを受けます。
命長らえて書き続けたい彼は、その約束をしてしまいます。
前作「風の影」の登場人物達や、古書店、「本の墓場」等が出て来て、懐かしい感じがします。
読み終えて、やはり想像力の乏しい私の頭では、整理しきれないモヤモヤが残りましたが、それでも、面白い作品でした。
「忘れられた本の墓場」は四部作だそうで、第三作ももう出来ているそうなので、翻訳出版されるのが待たれます。


天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫)

天使のゲーム〈上〉 (集英社文庫)

天使のゲーム〈下〉 (集英社文庫)

天使のゲーム〈下〉 (集英社文庫)

風の影〈上〉 (集英社文庫)

風の影〈上〉 (集英社文庫)

風の影〈下〉 (集英社文庫)

風の影〈下〉 (集英社文庫)