ケン・フォレット「コード・トゥ・ゼロ」

大分前に出た本(作2000年、日本では2001年、文庫本は2003年)ですが、ケン・フォレットのスパイ小説「コード・トゥ・ゼロ」を読みました。
アメリカとソヴィエトが冷戦中の1958年、宇宙開発はソヴィエトが一歩先んじていて、それにアメリカが追い付こうとしていた頃の話です。
早く人工衛星を打ち上げねばと、アメリカは焦っていました。
その頃、ソヴィエトは既に犬を乗せたロケットの打ち上げに成功していたそうです。
アメリカは、一回目に失敗、二度目の失敗は許されない状況で、ソヴィエトはそれを阻止しようと密かに企んでいたのです。
アメリカの威信をかけた(エクスプローラー1)の打ち上げの時が迫る中で、NASA打ち上げチームの一員だった主人公のルークは、ある時、何者かによって記憶を消され、ホームレスの様な状態で目覚めます。
自分は誰なのか、なぜこんな目に遭わされたのか、何者かに狙われながら、必死で自分探しをし、ついに両国のスパイ合戦の只中へ帰り着いたルークを狙っていたのは、二重スパイのCIAエージェントだったのです。
打ち上げを最後まで阻止しようとする彼らスパイと、ルークやその仲間達との死闘の中、カウントダウンの始まった打ち上げは成功するのか、本当にハラハラする結末でした。
宇宙開発の場で、こんな熾烈な闘いもあり得たのかと、歴史を垣間見た様な面白さもありました。

コード・トゥ・ゼロ (小学館文庫)

コード・トゥ・ゼロ (小学館文庫)