先日読んだ「修道院の第二の殺人」に続いてファロ警部補が取り組む事件です。
1870年、岩山の上にあるエジンバラ城の崖下で、男の死体が発見され、城に侵入しようとした泥棒が転落死したものと思われましたが、納得できないファロが現場を調べるうち、男性の肖像のついた古いカメオを発見、その時岩が落ちて来て、怪我をします。
何者かが自分を狙ったのではないかとファロは疑います。
同じ警官で、事故死した父親の遺品から、1830年にエジンバラ城の壁の中から小さな柩が発見されされたという記録と共に、16世紀のスコットランド女王メアリーの肖像のカメオが出てきます。
この二つのカメオは一対のものではないのか、そしてファロは、父親もこの小さな古い柩やカメオにまつわる秘密に触れて殺されたのではないかと疑います。
小さな柩に入れられ、壁の中に密かに埋葬されたのは誰か、これがメアリーの本当の子供で、取り換えられた子供がいたのではないか。
私は歴史に弱いのですが、「イギリスやスコットランドの歴史が覆すような」と翻訳者が前作の後書きに書かれたのは、この事だったのですね。
この壁の中から子供の柩が発見されたというのは、実際にあった事だそうです。
大胆な推理をもとに書かれたものですが、真実はどうだったのでしょうか、気になります。
今回は、オークニー諸島からファロの母親と、預かってもらっている娘達がやって来ている最中の出来事で、彼女たちも巻き込んだ事件もあり、はらはらさせられました。
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