ジェフリー・ディーヴァー「ポーカー・レッスン」

ジェフリー・ディーヴァーの第2短編集「ポーカー・レッスン」、先日届いたばかりのを早速読みました。
16篇のどれもが、長編に負けない位とても充実した、面白い作品ばかりでした。
リンカーン・ライム物も一篇含まれ、巻末には作者の創作作業の内幕をちょっぴり明かした「恐怖について」の講座もありました。
「だまされる快感」と帯にありますように、どんでん返しの連発で十分楽しめました。
ジェフリー・ディーヴァーの作品は、どれも最後までとても親切で丁寧に書いてあって、想像力の鈍い私にも分かり易いのです。
ただ、この短編集の中で、「恐怖」という作品では、最後に主人公のマリッサが選んだ電話番号が謎です。
それがまた、この作品の奥行を深くしているのでしょうが。
アントニオが書き残した三つの電話番号のうち、警察では無いだろうと思うのですが、現実派の私としては、こんな恐怖を味あわせたアントニオは許せません。
かといって、タクシーを呼んで帰るというのも、味気ない結末かなと・・・
作者の意図が知りたいなと思います。

ポーカー・レッスン (文春文庫)

ポーカー・レッスン (文春文庫)