ジル・チャーチル「枯れ騒ぎ」

ジル・チャーチルコージー・ミステリー、ジェーン・シリーズ第12弾、「枯れ騒ぎ」です。
主人公の主婦ジェーン・ジェフリーが、ガーデニングの講習会に参加して事件に巻き込まれるというので、日本でもよくある寄せ植え鉢だとか、庭のデザインだとか、花の選び方や育て方といった話題が出て来るのかと思いましたが、講師には植物学の大学教授が出て来て、植物の特許の問題とか、バイオ技術の研究とかの話題がいきなり出て来てちょっと戸惑いました。
予定の講師が何者かに襲われ、ピンチヒッターの講師が来て、それでも、講師や参加者数名のお庭をお互いに拝見することになります。
ジェーンや、一緒に講習に参加した親友のシェリーは、碌に手入れの出来ていない自宅の庭を、慌てて園芸センターから花や小さな噴水まで取り寄せて飾る始末。
こういう所が、面白くてよかったと思います。
勿論ジェーンは、またまた犯人捜しに乗り出す事になるのですが。
植物の新品種の特許の問題で、ピンクのマリーゴールドが出て来ますが、実際にはピンクのはまだ出来ていないと思います。
いつかカタログでオフホワイトのマリーゴールドだとして買った苗が、咲いてみたら黄色だった事があって、品種開発はやはり難しいのだなと思いました。

枯れ騒ぎ (創元推理文庫)

枯れ騒ぎ (創元推理文庫)

楽しみに読んでいるコージー・ミステリーですが、大好きな「お茶と探偵シリーズ」や「卵料理のカフェシリーズ」のローラ・チャイルズさんの作品等の出版元であった武田ランダムハウスが駄目になって、これからどうなるのか心配していました。
先日、コージー・ブックスが引き継いで出版されることになったと聞き、ほっとしています。
コージー・ブックスは、「原書房」のコージーミステリー専門の文庫レーベルで、他にもいろいろシリーズものが出ていて、楽しみにしています。