宇月原晴明「かがやく月の宮」

この作者の「安徳天皇漂海記」「廃帝奇譚」を以前に読みました。
「安徳天皇漂海記」
「廃帝奇譚」
私にとっては、この「かがやく月の宮」が三作目です。


物語は、彼女(紫式部でしょう)が物語を書きたくて、でも思いあぐねて、父から貰った家宝の秘巻「かがやく月の宮(竹取物語)」を読み始めるところから始まります。


「かがやく月の宮」は、「竹取物語」です。
私は、古典としての「竹取物語」を読んだ事はなくて、子供の頃、「かぐやひめ」として、童話で読んだ覚えしかありません。
どこまで、宇月原さんの創作が入っているのか分かりませんが、ファンタジックで、独特の雰囲気があって、面白かったです。
綺麗な絵物語を読んでいる様で、宝塚の舞台を見ている様な気もしました。
また、今だったら、映画で見てみたい気もしました。


「かがやく月の宮」を読み終えた彼女は、輝く姫が昇天して終わる物語でなく、輝く王子の、「かがやく日の宮」の物語を書こうと、思い立ちます。
こうして「源氏物語」は生まれたそうです。