ジェフリー・ディーヴァー「ウオッチメイカー」

ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズ第7作「ウォッチメイカー」を読みました。
長い作品になればなるほど、途中でうっかり読み飛ばしたりしている事があったりして、2回読まないといけないので、時間がかかります。
このシリーズは、順番に読んでいる訳では無くて、たまたま手に入った物から読んでいたのですが、前回読んだ「ソウル・コレクター」の巻末の著者後書きに、アメリア・サックスとパム・ウィロビーの出会いが、この「ウォッチメイカー」に出て来るとありましたので、まずこれを読まなくてはと思いました。
それから、(人間嘘発見器)と言われるキャサリン・ダンスも出て来る作品と言う事で、読んでおきたいと思いました。


この作品では、「ウォッチ・メイカー」を名乗る殺人鬼が、凶行の現場に時計を残して残忍な犯行を続けます。
この時計が同時に10個も或る時計店から買われていたことが分かり、リンカーン・ライムの率いるチームは、現場に残された微細な証拠物件と頭脳を結集する一方、キネシクス(証人や容疑者の言動を観察、分析して供述が真実であるかどうかを見極める科学)のエキスパートであるキャサリン・ダンスの協力を得て、犯人に立ち向かいます。
ライムのチームの一員であり、ライムの公私に亘るパートナーであるアメリア・サックスは、警官の汚職事件の捜査も抱え込み、やはり警官であった父や元恋人の問題もあって悩み、転職を考えるようになります。
やはり、どんでん返しの連続で、どこまで信じて読み進めばよいのか、はらはらものでしたが、面白いのは間違いありません。とても、面白かったです。
残酷な犯人、残忍な犯行の作品であっても、ジェフリー・ディーヴァーさんの作品は、下品ではないところが好きです。

巻末には、故児玉清さんの力の入った解説も載っています。


ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)

ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)

ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)

ウォッチメイカー〈下〉 (文春文庫)