椎名誠「みるなの木」「ひとつ目女」

「みるなの木」は短編集、「ひとつ目女」はあまり長くは無い長編です。
どちらも、この間読んだ三作と同じように、最終戦争後の荒廃した世界のどこかが舞台です。
起承転結のないお話も、そういうものかと慣れてしまえば、面白く読めます。
何冊かの短編集のなかで、中国人が日本語をしゃべっているような語り口のお話がいくつかありましたが、これが面白くて、椎名さんは、こういう面白いお話を、どんな顔して書いていらっしゃるのかな?なんて思いながら読みました。
ご自分でも面白くて、笑いながら書かれるのでしょうか?
「ひとつ目女」は、「武装島田倉庫」に出てきたキャラクターですが、最後はなんとなく結末らしいところが見えて来て、やっと少しほっとしました。