江里佐代子さんの截金

京都市上京区の中信美術館で開催中の展覧会「江里佐代子の伝言」を見てきました。
伝統工芸の「截金」で、若くして人間国宝でいらっしゃった江里佐代子さんは、4年前に急逝されましたが、ご主人で仏師の康慧氏が制作される仏像に、截金で美しく装飾されたり、截金で美しく飾られた作品を沢山残されました。
「截金」は、金箔やプラチナ箔等を何枚か貼り合せたものを1ミリの何分の一という細さに切って、色々な模様に貼って装飾する工芸です。
聞かなければ、こんなに手間のかかった物とは分からず、細い筆で描いた物と思うでしょう。
線以外の、例えば葉等の形はどういう方法で切られるのか、知りたいと思います。
以前に2回拝見する機会はあったのですが、今回は、ご主人との合作も含めて、沢山の作品が展示されていました。
どの作品も、信じられない程繊細な、ため息が出るほど美しい作品ばかりでした。


立派な図録もいただきました。

手毬や糸巻の様な形の香合や飾筥、棗など小さいものから、額装、屏風、スクリーン等大きな作品も、沢山展示されていました。

康慧氏の彫られた聖武天皇光明皇后像の衣装の模様の一部に、佐代子さんの截金が施されています。大きな作品です。

このガラス器は、お母様のご遺志を継がれたお嬢様が、ガラス作家の方の協力を得て作られたそうです。

平安仏所