アランナ・ナイト「修道院の第二の殺人」


修道院と言う題名の言葉に惹かれて読んでみました。
このアランナ・ナイトという作家は、沢山の作品を出していて、この作品はファロ刑事シリーズの第一作のようです。
主人公ジェレミー・ファロ刑事は、人気のキャラクターと言う事ですが、今まで知りませんでした。
19世紀、ヴィクトリア朝エジンバラが背景なのですが、馬車が交通手段であるという以外はあまり時代を感じる事はありませんでした。
主人公のファロ刑事は、妻を亡くし、その連れ子で今は医師をしているヴィンスと暮らしています。
ある日ファロ刑事は、二件の殺人事件の犯人として処刑寸前のハイムズから、自分の妻を殺したのは事実だが、もう一件の方は絶対無実だと訴えられ、真相の解明に乗り出します。
犯人の妻は女子修道院で下働きをし、もう一人の女性はその修道院で教師をしていたのです。
職場では、部下の若くてちゃっかりした美青年の巡査に焼きもちを焼き、好きなシェークスピア劇場の女優に恋をしたりと忙しい人物です。
この作品は、ファロ刑事と息子が好きなお芝居、シェークスピアの戯曲が沢山出てくるのですが、お芝居に弱い私には、史実が盛り込まれたという次作の方が、歴史にも弱いのですが、期待が持てそうです。
なにしろ、翻訳者の方の「すごい!スコットランドの、そしてイギリスの歴史をくつがえすような大胆なお話です」というお言葉に今からわくわくしています。

修道院の第二の殺人 (創元推理文庫)

修道院の第二の殺人 (創元推理文庫)