ケン・フォレット「ハンマー・オブ・エデン」を読む

図書館で借りた本ですので、655ページをかなり急いで読みました。
どんなストーリーかも知らずに借りて来てもらったのですが、地震と関係ある話なので時期的にちょっとしんどい所もありましたが。
プリーストと呼ばれる男は、若い頃犯罪を重ね、殺人まで犯したのですが、今は緑の美しい谷間の土地に隠れ住み、同志のメンバー達とコミューンを作り、葡萄を栽培し、ワインを醸造、電気もない生活を静かに送っていたのですが、それが壊れようとします。
仲間の一人の名義で国有地を借りているのですが、新しい発電所の建設が計画され、土地を返還する様通告されます。ダムが出来、水没することになるのです。
怒り狂ったプリーストは、この計画を中止しなければ、地震を人工的に起こすと州知事を脅迫します。
石油掘削の調査に使う機械で、トラックの後ろに取り付けた大きな鉄板で地面を叩いて人工的に地震を発生させるのが「サイスミック・バイブレーター」。
これで地殻に衝撃波を送り、地中のデータを記録し、石油会社に売る会社があります。プリーストはこの会社の作業員を謀殺、機械を奪い取ります。
地震学者の妻で、知識があるメラニーがこのコミューンに加わっているので、地震の起こりやすい断層上で実際に地震を起こし、脅迫をエスカレートさせて行きます。
この事件の担当となり、プリーストと対決する優秀なFBI女性捜査官のジュディ・マドックスは、メラニーの夫の地震学者マイケルの協力を得て、追いつ追われつ危険の中、次第にプリーストを追いつめてゆきます。
実際に、このような方法で大きな地震を起こすことが出来るのか分かりませんが、変わった話題に着目した興味深い作品でした。
ケン・フォレットの小説には、才色兼備のしっかり者の女性が出て来て、活躍することが多いのですが、この作品でも気持ちよく事件を解決します。

ハンマー・オブ・エデン

ハンマー・オブ・エデン

ハンマー・オブ・エデン―エデンの鉄槌 (小学館文庫)

ハンマー・オブ・エデン―エデンの鉄槌 (小学館文庫)