映画 「ザ・ロード」を見ました

先だってコーマック・マッカーシーの小説「ザ・ロード」を読んだ時、これが映画化されたということで、どんな映画になったのか、期待して待っていました。
やっと、京都で上映されるようになったので、見てきました。

映画にするのは、大変難しいのではないかと思っていましたが、原作に忠実に、そして大変分かり易くうまく映像化されていました。
映画ならではの、世界の終末を思わせる雷鳴、地鳴りも効果的で、恐ろしさが増します。
父親役のヴィゴ・モーテンセンと、少年役のコディ・スミット・マクフィーがこれ以上考えられない位ぴったりで素晴らしかったです。
廃墟の中を僅かに見落とされた食べ物や着る物を捜し求めて、南に向かってひたすら歩く二人。人食いの餓鬼道に落ちたグループの襲撃から逃れ逃れ、それでも二人は「善き人」としての倫理を守り、生命、希望の「火」を運び続けるのです。
少年を必死で愛し守り続けた父親が、ついに力尽きて亡くなった時、残された少年は、二人の後を追って来た家族に救われます。夫婦に、子供二人と犬もいました。
これから少年は、この家族と一緒にまた南を指して歩くのでしょうか。
南に暖かな緑あふれる元の世界がありますように、祈らずにはいられません。
映画の終わりのクレジットが流れるバックに、幸せそうな家族のしゃべり声や、鳥や犬の鳴き声がします。英語が分からないのが残念でしたが、この新しい家族の、世界がまだ平和だった頃の様子なのでしょうか。最後まで、席を立つ人はいませんでした。
本当に、良い映画でした。