アリアナ・フランクリン「ロザムンドの死の迷宮」を読みました


「エルサレムから来た悪魔」の後、待っていた2作目の「ロザムンドの死の迷宮」が出たので、早速読みました。
エルサレム」から大分経ったので、もう細かいことはすっかり忘れてしまっています。
12世紀のイングランド、ヘンリー2世の時代です。
経緯は忘れましたが、主人公の検視医アデリアは、今は司教となったロウリー・ピコウとの間に出来た幼い娘アリー、子守のギルサ、召使いのマンスール達と田舎で静かに暮らしています。
アデリアは、医師として働くことを選び、ロウリーの求婚を断り、音信を絶っていました。
そのため、ロウリーは、税官吏から、司教に取り立てられていたのです。
その、ロウリー司教からの要請で、ヘンリー2世の愛妾ロザムンドの毒殺事件の調査に、心ならずもケンブリッジへ、娘や子守り、召使いと共に向かうことになります。
ロザムンドの殺害で、一番疑われるのは、王妃のエレアノールです。
その王妃は、ヘンリー2世と仲違いして、自分の部下達と女子修道院に立て籠もり王と対立、下手をすれば戦争になる心配があります。
ロザムンドが囲われていて、今殺害されている塔は、植え込みの迷路に囲まれたなかにあります。
この修道院と塔の行き来は、テムズ川
季節が極寒の冬で、川も凍りつく中を船で死ぬ思いをしながら、また、王や王妃をめぐる陰謀に巻き込まれたりしながら、アデリアは王妃の無実の証明と、真犯人を探すために働きます。
史実を取り込んで、面白い作品になっています。
主人公が、法医学者ということもあり、気持ちの悪い場面もありますが。
大変残念な事に、作者のアリアナ・フランクリンさんが亡くなられたそうです。
ずっと、続けて書いていただきたかったと思います。ご冥福をお祈りします。
あと、2作は遺作があるそうです。早く、翻訳出版されるよう願っています。

ロザムンドの死の迷宮 (創元推理文庫)

ロザムンドの死の迷宮 (創元推理文庫)

エルサレムから来た悪魔 上 (創元推理文庫)

エルサレムから来た悪魔 上 (創元推理文庫)

エルサレムから来た悪魔 下 (創元推理文庫)

エルサレムから来た悪魔 下 (創元推理文庫)