「ホビットの冒険」から「ホビット ゆきてかえりし物語」へ

J.R.R.トールキン作 瀬田貞二訳の「ホビットの冒険」(岩波少年文庫)を読みました。

この間、ケン・フオレットの「大聖堂ー果てしなき世界」の長編を読んだ後、今度は、がらっと変わって、ファンタジーの世界です。

映画「ロード・オブ・ザ・リング」の後、「ホビット」も読んでみようと思って、新しく出版された山本史郎氏訳の「ホビット ゆきてかえりし物語」を買って読みましたが、瀬田貞二氏訳の「指輪物語」に慣れてしまっていたので、ちょっと馴染めない様な感じがして、やはり瀬田貞二氏訳の「ホビット」も読まなくてはと思って、買い置きしてあったのです。

ストーリーは、「指輪物語」の前の話で、「指輪物語」の主人公フロドのおじさんのビルボの冒険の話。
ビルボが、ガンダルフや、ドワーフ達に連れられて悪い龍に取られたドワーフの宝物を取り返しに行きます。
「指輪」がどうしてビルボの手に入ったか、が分かります。

ホビット」も映画化されるという事を聞き、それまでに読んでおこうと思ったのです。映画の方は予定より遅れているようで、2012年ごろに公開される予定らしいです。まだ大分間があるので、また忘れると思いますが。

瀬田貞二氏訳の「ホビットの冒険」を読んでみると、少年文庫に入っているだけあって、文章が子供向きになっているので、ちょっと読みにくい感じがしました。(慣れれば、そうでもなくなりましたが。)挿絵はいい感じだったと思います。もともと、トールキンが、自分の子供たちのために書いた物語だったようです。

そこで、やはり山本史郎氏訳の方に戻って、もう一度読む事にしました。

ホビット」は、原作が出版されてから、何度か作者によって改訂されているようで、山本氏の訳本は、完全版とされている物との事です。
瀬田貞二氏の訳が出たのは大分前なので、その後も改訂されていて、新しい訳本が出されたということです。
トールキン自身の書いた画や、世界各国で翻訳出版された本の挿絵が沢山入っているのも、興味深く見ることが出来ました。付録に、色々資料が付いていたり、大人向きになっています。

翻訳される方のお考えがあるので仕方ない事ですが、登場人物の名前の訳が少し違うのが、(例えば、ドワーフの隊長の名前が、「冒険」の方ではトーリン、「ゆきてかえりし」ではソーリンと言うような)ちょっと気になる所です。

山本「ホビット」から、瀬田「ホビット」へ行き、また山本「ホビット」へ、私の「ゆきてかえりし」読書物語です。

それにしても、映画の完成が待たれます。どんな映画になるでしょうか。
きっと、面白く作られると思います。早く見たいものです。