A.J. クローニン全集

もう50年以上前の若い頃、A.J.クローニンの作品のファンでした。
クローニン(Archibald Joseph Cronin、1896〜1981)) は、スコットランド出身で医師から小説家になった人です。
医師としての経験をもとに、ヒューマニティ溢れる魅力的な作品を数々残し、世界的にも一世を風靡したそうです。
私がクローニンの事を知ったのは、その頃、スペインのペンフレンドからの手紙に、今クローニンの「The Citadel」(城砦)を読んでいるが、とても良い作品だと紹介されたのです。
丁度その頃、日本でも、三笠書房から翻訳された「城砦」が出て、本屋さんの店頭に並んでいました。そして、私も、クローニンの虜になりました。
新しく翻訳本が出る度に買い求めて読んでいましたが、間もなく結婚し子供が出来で、忙しくなりいつの間にか忘れていました。
持っていた何冊かの本も、何度かの引越しの時に処分したのか、手元に無くなっていました。
数年前、思い出してもう一度読みたいと思いましたが、もう絶版で手に入りにくくなっていました。
娘が、ネットの古書店で全集を見つけてくれましたので、迷わず買い求めました。
昔、読んでいなかった作品も、かなり入っていました。
このクローニンの全集は、若い頃の思い出と共に、私の大切な大切な宝物です。

買った時に、少し読みましたが、もう一度ゆっくり読み返したいと思っています。

第8巻の「城砦」、代表作です。
これは、学校を出て、医師になったばかりの青年が、人間社会の醜さと戦い、挫折や成功を重ねて成長して行く物語で、医学を志す人達の必読の書と言われたそうです。