ジェフリー・ディーヴァー「コフィン・ダンサー」を読みました

ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズ第2作、「コフィン・ダンサー」、昨年から持ち越していたのを、やっと読み終わりました。
シリーズなので、レギュラーの登場人物何人かは分かり易くなりました。
四肢麻痺でベッドでの生活を余儀なくされている化学捜査専門家ライムですが、前作「ボーン・コレクター」での自殺願望が本作では落ち着いて、仕事に熱中するようになった様で、一安心です。

前作で部下として引き抜いたアメリア・サックスとの仕事。そして精神的にも惹かれあう中で、ライムにも生きる希望が戻って来たのでしょうか。
刺青の絵柄が、棺の前で踊る死神の絵であると言う事から「コフィン・ダンサー」と呼ばれる殺し屋。彼に狙われたら、逃げられないのです。
ある武器商人の犯罪に、二日後の大陪審で不利な証言をすることになっている三人の証人が狙われます。
チャーター航空機の会社を経営する凄腕パイロットの女性パーシーと、やはりパイロットの夫エド、もう一人のパイロット ヘイルの三人ですが、夫エドが仕事で飛んだ小型ジェット機が爆発し死亡します。
残りの二人の証人を守るため、捜査を依頼されたライムとコフィン・ダンサーの戦いが始まります。
天才的な頭脳で犯人を推理するライムの手足となって、危険を物ともせず証拠物件を集めに奔走するアメリアや、NY市警の刑事達、FBIの捜査官達の裏をかいて、証人保護の隠れ家に潜むパーシーやヘイルにコフィン・ダンサーの魔の手が迫ります。
どうしても、依頼先に届けなければならないというたっての願いを認められ、飛び立ったパーシーでしたが、綿密な検査をした機体だったはずが、目的地の空港に降りる為の降下で、ある高度まで降りると爆発する仕掛けがされていることが判明。
パーシーは知力、経験、胆力の限りをつくして犯人と闘います。
ディーヴァーの作品の面白さは、思いがけないどんでん返しの連続と言われますが、本当に魅力的な登場人物達の活躍と、どんでん返しで最後迄気が抜けません。
航空機、銃、車、火薬、化学物質等、メカや化学に関する記述も多く、翻訳される方も大変ではないかと思いましたが、最後まで面白く読めました。

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)