「ザ・ロード」を読みました



米国の作家コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」を読みました。
先日娘が買ってきたのを、先に借りて読みました。
ロード・オブ・ザ・リング」に出ていたヴィゴ・モーテンセンが主演で映画化されたそうで、その写真が帯に載っていたからです。
近未来ものですが、何があったのでしょうか、地球全体なのか一部なのかそれも分かりませんが、自然は動物も植物も死に絶え、空は雲に覆われ、絶えず冷たい雨や雪が降り、町も村も廃墟と化しています。
そんな世界になってから、もう数年は経っている様なのです。
その中を、生き残ったわずかの人々が食べ物を求めて彷徨っています。
一人の男「彼」とその息子「少年」も。わずかな持ち物、毛布や防水シートなどをのせたカートを押し、ナップザックだけの姿で、今いる所よりは暖かいであろう南を指して歩き続けます。途中で暴徒に襲われるのを警戒しながら、水や、人家があれば、食べ物(缶詰や、保存食)、衣服、靴などを探します。
極限の日々を、父子は、いたわり合い、会話を続けて歩きます。
母親は、死んだのかどうなったのか、はっきりしませんが、少年は、こんな世界になってから生れたようなのですが、人への思いやりを忘れていません。
救いの無いストーリーなのですが、少年の優しさに惹かれてこの作品を最後迄読んでしまうという感じです。
父親はとうとう体を壊し、力尽きて死んでしまうのです。彼が死んだら、幼い少年はどうなるのか、心配しながら読んでいた読者は、最後になって、救いの兆しを感じるのですが、これは、少年にとって現実だったのでしょうか。
考えれば、有り得ない話で、矛盾を感じることもあるのですが、これはあくまでも架空の話。
この小説がどういう映画になったのか、非常に興味があります。
以前見た「アラトリステ」と言い、この「ザ・ロード」と言い、ヴィゴ・モーテンセンは、汚い辛い役が好きなのかしら?と思います。