アン・クリーヴス「白夜に惑う夏」読了


アン・クリーヴスのシェットランドを舞台としたミステリー四部作の第二弾、「白夜に惑う夏」を読み終えました。
前作は、冬のシェットランドが舞台の「大鴉の啼く冬」でした。
狭いシェットランドの中ですが、今度は、また違う町が舞台です。
引き続き、画家のフラン・ハンターと恋人のシェットランド署のペレス警部、応援のインヴァネス署のテイラー警部が出てきます。
フランがもう一人の地元の画家ベラと共同開催した絵画展で、妨害行為をした男が殺害されて発見されます。ベラと暮らしていた甥の人気音楽家ロディも死体で発見され、農場主ケニーの兄で何年も前に失恋して家出したと思われていたローレンスも骨となって発見されます。
ペレス警部は、テイラー警部と協力し、時には反発もしながら、捜査に当たります。
人の気持ちを騒がす白夜の季節、他人の事を詮索しないで平和に暮らそうとする狭い共同体の住人達を相手に、捜査は辛抱強く続き、意外な結末を迎えます。
女性作家らしい細やかな表現があちらこちらに見られるのも楽しみで、面白く読めました。
シェットランド四重奏の三作目はもう刊行されているようなので、そのうちに翻訳出版されそうです。
今度は、季節が春との事で、シェットランドの春はどんなだろうかと、これも楽しみです。