ジャック・ヒギンズの「鷲は舞い降りた」


ジャック・ヒギンズの「鷲は舞い降りた」を読みました。
先日、ケン・フォレット「針の眼」を読んだ時、その解説文に、冒険小説の分野で、「針の眼」が西の横綱だとすれば、「鷲は舞い降りた」は東の横綱と書いてありました。
戦後の冒険小説の分野で、人気ナンバーワンとも言われているそうです。
「冒険小説」とか「スパイ小説」というのは、あまり読みたいと思ってはいなかったのですが、「針の眼」が大変面白かったのに、それに勝る面白さというのであれば読んでみなくてはと思いました。
「鷲は舞い降りた」は、第2次大戦時の史実をうまく取り入れて、どこまでが史実かフィクションか分かりませんが、兎に角、面白かったです。
ドイツが、勝てる望みのない戦争に陥ってる時、ヒトラーの命令で、チャーチルを誘拐する為に、敵地イギリスに落下傘で降下した特殊部隊の死闘の物語です。
特殊部隊のドイツ人将校シュタイナーとその仲間達は、地方の空軍基地や工場を視察の後、ある村の名士の屋敷に滞在するチャーチルを誘拐しなければなりません。
彼らは、目的に肉薄しながらも、思いがけない出来事のために挫折するのですが、これはチャーチルが無事であった史実で初めから明らかな事。
でも最後にシュタイナーがチャーチルと対決する場面、もしシュタイナーが銃を撃っていたとしたら・・・物語の最後の方に、登場人物達のその後の消息が書かれていますが、これがあるから良かったと思います。
男っぽい話かと思っていましたが、女性達も活躍しますし、叙情的なエピソードもあり、生意気な言い方かもしれませんが、話の運び方がとてもうまくて、間違いなく面白い作品でした。
次は、ダン・ブラウンの「パズル・パレス」に行きます。