「ミス・シェパードをお手本に」

マギー・スミスさん主演の「ミス・シェパードをお手本に」を観て来ました。

英国の劇作家アラン・ベネット氏が、自身の経験をもとに書いた回想録を映画化したもので、ほぼ実話ということです。

アラン・ベネット氏と、彼の家の玄関先に止めたオンボロ車の中で居座ってしまったミス・シェパードの、不思議な、15年間にもわたる暮らしが、面白く、悲しい話になっています。


この劇作家役はアレックス・ジェニングスさん、ミス・シェパード役は勿論マギー・スミスさんが演じていて、実際にアラン氏が、住んでいた家で撮影されたそうです。


北ロンドンの、クラシックな街の通りで、オンボロ車を移動させながらその中で暮らしている老女のミス・シェパードですが、近くに越してきていたアランが、自宅の庭に車を止めさせてあげたのが、長い付き合いの始まりになってしまいました。

この、ミステリアスな老女に、近所の人達は、迷惑ながらも、あまり詮索せずに、かなり親切に接してあげるのですが、彼女はお礼を言うでもなく、わがままに暮らしています。


「ミス・シェパードをお手本に」という日本語版の題名は、どうかな?と思うのですが、原題は、「The LADY in the VAN」。
もともと演劇の作品で、日本でも黒柳徹子さんが演じられたそうですが、どういう題名だったのでしょうか?


アラン氏は、生活者としては、汚く臭く勝手気ままなミス・シェパードを迷惑にも思い乍らも、フランス語が出来、音楽に厳しい様で、元修道女らしい彼女に、作家としての興味と観察欲から、かなり親切に彼女の居座りを15年間も許していました。

彼女の死後、その人生の隠された部分が明かになったそうです。
彼女の過去には、色々な切ない出来事があったのです。


マギー・スミスさんは、大好きな俳優さんですが、丁度いま、テレビで「ダウントン・アビー」が放映されていて、とても楽しみに見ています。

ダウントン・アビー」の貴婦人でも、「ミス・シェパード」のオンボロ車で暮らす汚いおばあさんでも、なんの違和感も感じさせない魅力あるマギー・スミスさんです。